6月から手続きが始まる進学選択。後期課程のイメージができず、志望先を決めかねている2年生も多いだろう。本企画では各学部の学生に取材。後期課程進学後の生活や進学先の特徴について語ってもらった。2026年度進学者の各学部の進学元科類の割合や3S1ターム(3年の4、5月)の時間割も掲載。今回は工学部・理学部編。志望先決定の一助としてほしい。(構成・山本桃歌、取材・宇城謙人、木下太陽、長澤周平、平井蒼冴、溝口慶、山本桃歌、吉田直記)
理Ⅰ→工学部航空宇宙工学科 理論から応用まで総合的に学ぶ

中高生の時から、人類の宇宙進出を促進したいという夢があり、航空宇宙工学科を志し学校推薦型選抜で入学しました。前期教養課程では航空宇宙工学とは直接関係しない分野を専門とする教員が順番で登壇する形式の授業を多く履修。素材やモビリティー、数理科学などの東大内外での最先端の研究に触れました。航空宇宙に特化していたら出会えないような人とのつながりもでき、前期教養課程のうちはいろいろなところにアンテナを張って、こんな世界があるのだと知ることが大事だと感じました。
航空宇宙工学科は他の工学部の学科ほど、学科内でコースが分かれていません。そのため航空宇宙工学に関して網羅的に学べるので、航空宇宙に関わりたい人にとってはこれ以上ない環境だと感じていますね。エンジンの仕組みそのものだけでなく、内部の素材がなぜ熱を持ってしまうかなど具体的な現象も理解し、対応策を考えます。
授業は座学が多く、自分から参加しないと実験やモノづくりをする機会は少ないです。製図の授業では推進エンジンの図面を1セメスターかけて描くのですが、自分が描いているものを十分に理解していないと、描いている線の意味が分かりません。このような難しい課題は学科の友人と教え合いながら乗り越えています。製図を通してエンジンの作り方が理解できるので、今後にもつながると感じています。
学科内は個性豊かで、授業内容はよく教え合いますが、授業外の交流は多くありません。3年次末の春休みには学科旅行で航空宇宙関連の関西の企業や種子島の研究施設へ見学に行きます。航空宇宙産業の企業間のつながりは強いと感じますね。
卒業後はほぼ全員が院進し、さらに博士課程まで進む人も2~3割程度いますし、留学する人もいるそうです。一方で就職後に航空宇宙産業だけでなく自動車産業に行ったり、ベンチャー企業を立ち上げたりする人もいます。私自身も今後もいろいろな角度から人類の宇宙進出を目指して行動していきたいです。
理Ⅰ→工学部システム創成学科Cコース ビジネス、力学……AIだけではない学び

理Ⅰに入学後、小さい頃から好きだった音楽や宇宙について学びたいと思っていました。宇宙を扱う学部学科は多く、工学部航空宇宙工学科や理学部地球惑星物理学科も考えましたが、システム創成学科の研究室に引かれ、進学を決めました。
システム創成学科CコースではAIのイメージが強いですが、プログラミングだけではなく、物流や交通など、社会に根差したさまざまな分野の授業を受けられます。実験はありませんが、「プロジェクト」と呼ばれる必修科目が特徴的です。セメスターごとにテーマが変わるのですが、例えば「動機付けプロジェクト」の前半では与えられたテーマに合う製品をデザインし、後半では複数の教員の授業の中から興味あるテーマの授業を選んで受講します。私は原子力発電についての授業を選びました。原子力発電を研究する企業を実際に訪問し、最先端の技術や課題を学ぶなど、実社会をのぞけるのもシステム創成学科の特徴です。ほかにもビジネス入門という授業では、企業価値や財務諸表を扱ったり、企業の課題解決のための討論をしたりしました。
一番忙しいのは選択必修が多い2Aセメスターで、週に20コマくらい。授業が駒場で開講されるので、2年次のうちに単位をとっておきたいんです。材料力学や流体力学など、AIとは関係が薄そうな力学系の授業があるのは意外でした。3年次では履修の自由度が上がり、各々の興味に沿った時間割を組めます。
学科内ではコースが同じ人と関わることが多いです。授業中と授業外でのメリハリがしっかりしている人が多いですね。起業する人も多く、インターンに行くと学科内での縦のつながりができることもあります。卒業後は院進する人もいますが、工学部の中では就職する人も多い方だと思いますね。
理Ⅰ→理学部化学科 学問の基盤としての化学 充実した実験環境

元々物理系に興味がありましたが、1Aセメスターの「構造化学」の授業で宇宙化学から植物化学まで、広い分野で自然科学の基盤を担う学問としての化学に引かれ、化学系への進学を考えました。理学部化学科のほか、工学部応用化学科や化学生命工学科も考えましたが、まだ化学の中で分野を絞ってはいなかったため、幅広く化学を学べる理学部化学科を選びました。2Aセメスターでは化学科の科目は週に6コマで、あとは理学部の他の学科の授業を受けます。私は物理学科や地球惑星物理学科の、解析力学や相対論などの授業を受けて、週に17コマ履修しました。
3年次に入ると、週に4日×2コマの実験があります。化学科の強みとして、排気装置付きの実験台が1人1台あるので、各自のペースで進められます。実験の手法について友達同士でアドバイスしあうこともあります。ただ毎回レポートを書く必要があり、慣れていない3Sセメスターはとても大変でした。他にも、有機・無機化学や、物理化学、放射化学など、自然科学の基盤を担う学問としての化学を幅広く体系的に学べます。特に有機化学の授業では構造式などの現代化学の基本体系が作られるまでの歩みが化学史の観点から語られ、研究の営みが身近に感じられました。3Aセメスターではレポートにも慣れ、他の学科の授業も受けられます。
また化学科の授業は全て英語で実施されますが、数式は言語に関係なく通じるので、意外と困りません。留学生と一緒に実験をする機会もあります。
3年次の夏ごろから研究室インターンを始める人もいて、4年次に進むときに研究室に配属されます。そのままほとんどの人が院進します。私は量子化学の研究室へ進み、修士課程を目指すつもりです。
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各学部4年生に聞く 後期学生生活紹介~工学部・理学部編~ 2026 IUSTITIA.BG – Investigations 2009-2025 2026-07-17 02:00:36
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