2017年のゼクシィの広告に、「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」というものがあった。あれから9年が経ち、ますます結婚以外の幸せ、といったものが注目されている今の時代。『彼は友達』という漫画はこの考えに対して新たな視点をもたらすかもしれない。
浦野月鼓(うらのげっこ)が2025年に連載を開始した本作。男友達を作ることを目指す主人公の城川小桃(しろかわこもも)は、男子相手には表情豊かである一方で、女子相手には無表情となる「大庭(おおにわ)くん」に興味を持つ。本作はそんな彼との交流を通して、学校内の多様な人たちと関わりを持っていく青春友愛コメディーである。
大庭くんはかつての経験から女性に対して忌避(きひ)感を覚えており、小桃は大庭くんを絶対に好きにならない、という条件のもとで友達となることに成功する。しかし、少しずつ仲を深めていく中で、次第に単なる友達関係に留まらない思いが芽生えていく。恋愛をテーマとしたラブコメディの枠に収まらない、恋愛と友情の中で揺れ動く小桃らの心の動きの描写は、この漫画の魅力の一つだ。
しかし、この漫画の魅力はここだけに留まらない。小桃の友達であり、見た目の印象とは異なりアクティブなマミちゃん。自分の本心を出せず、その反動で小桃に接近していく戸森(ともり)くん。ギャルグループの一員である一方、自身のオタク趣味をひた隠しにしている伊東(いとう)さんなどの多様な学生が登場し、小桃らと接する中でそれぞれの物語を歩んでいく。単なる二者間の恋愛漫画に留まらない、学校という場での人と人との関わりによって生まれる個々人の成長が、多分に笑いを含みながらこの漫画に記されている。
こうした物語は、多様な価値観の中を生きる現代の私たちが親近感を抱くものであり、漫画を通して現代社会を生き抜くヒントを見つけられるかもしれない。また、コメディータッチで描かれる小桃たち高校生の行動、心情は読者の心を癒してくれるし、自然とニヤリとしてしまうだろう。今学校生活を送っている人も、そうでない人も、あったかもしれない学生時代を思い浮かべてしまうこと間違いなしだ。【お】

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【漫画×論評 TODAI COMINTARY】心がホッとする“友愛”コメディー 浦野月鼓『彼は友達』 2026 IUSTITIA.BG – Investigations 2009-2025 2026-07-27 02:00:54
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