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ならず者国家 2026

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 追い込まれているトランプが何を血迷ったか、ホルムズ海峡の逆封鎖を唱えはじめて世界中を唖然とさせている。みずからの領土でも領海でもないのに、停戦合意にあたってホルムズ海峡の「共同管理」を主張したり、はたまた主張が通らないと逆封鎖するぞ! といい出したり、敗北にあたっても侵略者の振る舞いはデタラメで厚かましい。イランへの侵攻はイスラエル・アメリカの目論見が打ち砕かれ、ひるむことなく徹底抗戦したイランが撃退する形で終わりを迎えようとしている。そのなかで、もはや撤退するほかないアメリカが表面的には強がりながら、完全敗北を覆い隠そうと大口を叩いている――そんな光景である。

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     「大言壮語」「大風呂敷を広げる」といった言葉がピッタリと当てはまるのがトランプで、やっていることはディール外交などという代物ではない。ただのヤクザ的恫喝である。世界中が見ているのは、それでもなお毅然と対峙してきたイランと“ならず者国家”以外のなにものでもないアメリカ&イスラエルの姿である。これが「目には目を歯には歯を」で知られるハンムラビ法典の教えにならって対等の報復をするなら、ネタニヤフやトランプは革命防衛隊の特殊部隊なりに暗殺されてもおかしくないなかで、一方は極めて抑制的に祖国防衛につとめ、野蛮で不当なもう一方は、人間を殺戮することに躊躇がなく、終いには「文明を崩壊させる」とホロコーストまでにおわせて暴れ回っているのである。一夜にして文明が崩壊するほどの武力攻撃とは、原爆投下すら思わせるもので、核開発をやめろといって核を投げつけるなど本末転倒も甚だしいものとなる。

     

     国際法や国際秩序など屁とも思っていない面々が、好き放題に他国にミサイルを撃ち込んでインフラを破壊し、政治指導者を暗殺し、撤退に追い込まれてなお他国の領海を「共同管理」だの逆封鎖するなどといい始め、盗っ人猛々しい言動に及んでいる。もともと安全な航行ができていたホルムズ海峡が封鎖されたのは、アメリカがイランを武力侵攻したことへの報復措置であり、アメリカが手を出したおかげで世界中が迷惑を被っている関係にほかならない。これを居座って逆封鎖などしようものなら、イランは当然領海を犯す米艦船を攻撃して排除に乗り出すだろうし、ホルムズ海峡の安全な航行はまた先へ遠のくことになる。世界中の船舶は引き続き航行ができずに足止めをよぎなくされ、中東から輸出される原油やナフサ、飼料などは輸送がストップして経済的打撃は計り知れないものになる。物資の届かない各国で暮らしが脅かされる事態にもなる。

     

     恫喝して利を得るというトランプのヤクザ的手法が通用しなかったのがこの一カ月以上にわたるイラン侵攻であり、戦況は西側メディアが伝えるほどイランが一方的にやられっぱなしというわけでもないようだ。不利になって「ちょっとタイム!」と停戦を求めたのはアメリカである。地上戦をにおわせている最中に実態としては湾岸諸国に置かれた米軍基地も壊滅的な攻撃を受けて機能は麻痺し、米軍は着の身着のままで本国に逃げ帰っていたことがわかっている。口の先で大口を叩くのとは裏腹に命からがら逃げ出しているのである。イラン側が停戦合意を巡ってもどっしりと構えているのは、そうした戦況についての把握があるからだろう。

     

     ホルムズ海峡の逆封鎖もまた例の如くトランプのハッタリであろう。そんなことをすれば米艦船が撃沈されるだけというのは誰でもわかることである。遠く離れたアメリカからそれだけの米艦船を動員して他国の領海を封鎖するなど「離れ業」であり、折角逃げ帰った米兵たちを海の藻屑にする愚策でしかない。バカげた虚仮威し(こけおどし)を真顔でいう――トランプの交渉術とはそんなもので、真に受けて弄ばれる者がいる一方で、イラン側は見透かしているのだろう。

     

    吉田充春        

    ならず者国家 2026 IUSTITIA.BG – Investigations 2009-2025 2026-04-18 15:21:41

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