(2026年9月21日付掲載)
イランのアラグチ外相と会談する伊勢崎賢治議員(現地時間15日、駐日イラン大使館公式Xより)
超党派「人道外交議連」事務局長で、いのちの党所属の伊勢崎賢治参議院議員は15~18日(現地時間)にイランを訪問し、同国のアラグチ外相と会談した。イラン政府や伊勢崎賢治事務所が公式Xで発表したほか、『国営IRNA通信』や『テヘランタイムス』など現地メディアも会談の模様を報じている。2月28日のイラン戦争勃発以降、日本の政治家がイランを訪れたのは初めて。G7諸国でも国会議員のイラン訪問は確認されていない。伊勢崎氏は、米軍のミサイル攻撃によって160人以上の女子児童や教師が犠牲になった南部ミナブの小学校などにも訪問したことをXで報告している。
イラン政府公式Xは、アラグチ外相と伊勢崎氏が「二国間関係および地域情勢について見解を交換した」と写真を添えて投稿。駐日イラン大使館も、それが「実りある議論」となり、「議員外交はより深い相互理解と友好関係を育む」とのべ、伊勢崎氏が「イラン議会におけるイラン・日本友好議員連盟会長のモタファッケル・アーザード国会議員のホスト」によってイランに滞在したと伝えている。
現地時間15日、米・イスラエルによる攻撃で閉会中のイラン国会特別室でアーザード議員(博士)と会談した伊勢崎氏は、「知日家として知られる博士は、あくまで可能性にとどまるとはいえ自衛隊がこの戦争に参加しうる事態を強く憂慮され、歴史ある日伊(イラン)関係への影響を懸念された」と伝えるとともに、「三沢基地からの米空軍F16戦闘機出撃も懸念事項の一つ。日米安保条約の『事前協議』がなされた形跡はなく、たとえ実施されていても日本が『ノー』と言えたかどうか――。多岐にわたる深刻な懸念が尽きなかった」と発信している。
さらに、イラン議会議長国際問題特別補佐官のアブルファズル・アモイエ博士、テヘラン大学教授モハンマド・マランディ博士とも会談し、イランとオマーンはホルムズ海峡の「中間線」を共同管理することで合意し、すでに「他のGCC諸国の合意も得て、IMO(国際海事機関)への新航路登録を準備していたところ、トランプ政権の介入により延期された」旨を伝えるとともに、国連海洋法条約の「加盟国である日本として何かできないかと話し合った」とのべている。
会談で深まる相互理解
そして、アラグチ外相との会談について伊勢崎氏は以下のようにXで発信している。
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イラン外務大臣セイエド・アッバース・アラグチ博士とイラン外務省にて会談した。同博士が駐日大使を務めておられた当時からのご縁を再確認するとともに、中国訪問の準備という多忙な日程の中、貴重なお時間を割いていただいたことに深く感謝。
まずはホルムズ海峡の開通問題について。アラグチ博士は、イラン・オマーン両国が「中間線」沿いに共同管理する新航路を国際海事機関(IMO)に登録する協議が進行中であることを説明。これが実現すれば、イラン側の北部航路とオマーン側の南部航路は通行できなくなり、新航路のみが両国により共同管理されることになる。
しかしながら、アラグチ博士は、これだけではホルムズ海峡を開通させる条件にはならないと強調された。核心は「イスラマバード了解覚書(Islamabad MoU)」の履行にあると。同覚書は2026年6月17日に米国・イラン両首脳が電子署名した14項目の枠組み合意であり、第1項にはレバノンを含む全戦線での軍事作戦の即時かつ恒久的な終結が明記されている。アラグチ博士は、この覚書の前提となっていた停戦を破ったのは米国側であるとの認識を示した。
さらに、アラグチ博士は、この戦争から日本が学ぶべき教訓についても言及された。自国の安全のために米軍基地を保有していたGCC諸国では、今回の戦争でその米軍基地がむしろ安全の崩壊をもたらしたこと。米国はGCC親米諸国よりイスラエルの安全を優先し、そのイスラエルでさえ被害を免れなかったこと。私はそれを石破政権時代から国会で指摘し続けていると言うと、静かに頷かれていた。米国の敵でありながら、揺るぎのない親日国家であるイランからのこの言葉の重みに目眩を感じながら、イラン外務省を後にした。
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ミナブの小学校も訪問
また、伊勢崎氏は現地時間16日、イラン南部にあるホルムズ海峡の要衝・バンダルアバスを経由して訪問したミナブの様子ついて次のように投稿している。
イラン南部ミナブでアメリカの爆撃を受けた女子小学校を訪問した伊勢崎議員(現地時間16日、伊勢崎賢治事務所の公式Xより)
今年2月28日、米軍の精密誘導型トマホーク巡行ミサイルが、ここシャジャレ・タイベ小学校を襲った。児童、教員、保護者168人が犠牲になった。元々女子小学校として運営されていた関係で、犠牲の大半は12歳以下の女子児童である。
小学校に着弾したのは2発とされる。1発目の着弾で大混乱の生存者は、本能的に子供たちを庇おうとする教師のもとに集まり、そこへ2発目が。これが、より多数の犠牲者を生んだ結果となった。原型をとどめる遺体は無く、敷地内外で回収された部位の数は千以上に及ぶ。
当日たまたま学校を訪れていた妻と幼い姉妹全員を失った男性に会った。引き裂かれたピンクの通学カバンを見せられた。遺体の部位も見つからず完全に消失してしまった男子児童の両親に会った。後日、学校の敷地から離れた木に引っかかっていたという小さな靴の片方を見せられた。
アメリカが一方的に戦端を切った土曜日の朝、いつもの通学時間に平時の日常が戦時の惨禍へと引き込まれた。子供達が集まるのが当然である場所が精密誘導兵器に狙われ、当然の結果として大勢の子供達が犠牲になった。
米軍に最も例外的な自由を許す同盟国の政治家という立場から、アメリカが犯した戦争犯罪の現場に立つ。
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伊勢崎氏のイラン訪問について、現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏は「2月28日にイラン戦争が始まってから日本の政治家がイランを訪問するのは伊勢崎議員が初めてで、アラグチ外相などとの対面による会談は、イランの日本に対する信頼をつなぎとめるものになったに違いない。欧米諸国の国会議員でもイラン開戦後イランを訪問したということは聞いたことがなく、イランの国際的孤立を緩和する役割を担った訪問でもあった」と評している。
伊勢崎賢治議員がイランを公式訪問 アラグチ外相と会談 イラン戦後日本の政治家で初 2026
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