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暑さが激しさを増す今日この頃、怖い話にすがってでも涼みたくなる季節になってきた。そこで、東大のキャンパス内に眠る怪談を探るとともに、東大出身者が体験した怪談をまとめた本『東大怪談』の著者である豊島圭介さんにインタビューを実施した。東大の裏の顔を知ることで、ひとときの冷や汗をかいてみよう。(構成・奥田煌志朗、撮影・森木将慧、奥田煌志朗)
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本郷キャンパス:旧加賀藩屋敷
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本郷キャンパスに、灯籠(とうろう)が置かれていることはご存知だろうか? 蛇塚と呼ばれるこの灯籠は、工学部一号館前の工学部前広場に位置し、高さにして1メートルを超えるほどの大きさを誇る。この灯籠が東大のキャンパスにある背景には、かつて本郷キャンパスの位置に存在した加賀藩前田家の女中屋敷と密接に関係している。この灯籠は、かつて不義を行ったために処刑されてしまった加賀藩の女中を弔うために置かれたという。加賀藩の屋敷の多くが本郷キャンパスとして作り変えられる中でも、この灯籠は取り除こうとする度に事故が発生したそうだ。この話は真偽不明ではあるが、それはともかく事実として今に至るまで灯籠は本郷キャンパス内に置かれ続けている。東大もたたりを恐れているのかもしれない。今では灯籠の前を通ると蛇が現れるといったうわさがある心霊スポットとしても知られている灯籠だが、日本の科学的研究の頂点とも言える東大が非科学的なものを恐れるとは、なかなか皮肉なものである。
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駒場キャンパス:一号館地下
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駒場キャンパスの正門を入ってすぐ、キャンパスの代表的な建築物であると言っても良い一号館。その中に、立ち入り禁止となっている地下が存在する。多くの人が利用する一号館にあって、立ち入り禁止の場所が存在するとは驚きである。そして、ここには地下からお化けの声が聞こえたといううわさが存在する。さらには新入生の間で地下は火葬場として使われているという話がまことしやかに広がっている。やはり、多くの学生が使う一号館に立ち入り禁止の場所があるというのは好奇心をかき立てるのだろう。夜間の一号館など教室の利用が原則として制限されていることも、怪談が生まれた一因としてあるのかもしれない。もしかしたら、本当に怪奇現象が起きていて、それを隠すために学生を立ち入らせないようにしているのかも……?
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そもそもこの地下空間は何のためにあったのか。一号館を設計した内田祥三氏の教え子たちが記した『内田祥三先生作品集』によると、駒場キャンパスに学生寮があった時代、雨天時に寮から図書館や講堂に行くために地下通路が作られたそうで、一号館の地下も同様に各施設をつなぐ地下通路であったと考えられる。実は、東京大学東アジア藝文書院が制作した映画『籠城』の中に、一号館の地下が映っているという情報がある。東大教養学部の前身である旧制第一高等学校が存在した時代を舞台に駒場キャンパスで撮影されたこの映画は、随時東大キャンパス内で一般公開されているようなので、機会があれば是非見てみたいものだ。もしかしたら、地下が映るシーンでは心霊現象が見られるかもしれない。
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駒場キャンパス:駒場池(一二郎池)
本郷キャンパスに、夏目漱石の作品にちなんで名付けられた三四郎池があることは有名だが、実は駒場キャンパスにも一二郎池という池がある。駒場キャンパスの外れに所在し、言葉を選ばずに言うとひと気のない池である。見に行くと留年するといったジンクスまでもがあるこの池にも、怖い話がある。池の水を検査してみると、なんと人間のDNAが見つかったというのだ。池に落ちて亡くなった人がいるとでもいうのだろうか。なかなか怖い話だが、このような怪談が生まれた背景には東大で教壇に立つサーギル博士が関係しているともされる。文化地理学者である博士の授業では「場」が持つ影響力を探るという目的で、水を題材に物語を書くという課題を学生に課すという。その中で一二郎池を題材とした怪談を多くの人が作るらしく、その怪談が私たちにも伝わっているのかもしれない。東大新聞が編集に協力した本『サーギル博士と巡る東大哲学散歩 場の地理学的解釈に向けて』および東大新聞オンラインでは、サーギル博士による一二郎池に関しての考察が掲載されているので、興味のある人はぜひ一読してみてほしい。
このような怪談が生まれた理由が気になったので、実際に記者が夜の一二郎池へ向かってみることにした。向かったのは夜の7時30分頃、幸いにも夏場ということもあり空はまだ少し明るく、楽観的な心持ちで一二郎池へ歩を進める。図書館を出て右に向かったところ、うそのように暗い道に遭遇。
しかし、少し進むと電灯が現れた。そこを右に進むと、一二郎池とご対面。記者は何度か一二郎池に来たことがあったが、そのときよりも格段に怖く感じた。それが暗闇の中で起きる怪奇現象を恐れたためか、足元が見にくいためかははっきりせず。足場も悪いため、注意しながら池の周りを進むと、何かを蹴った感覚が。カニ網のようなものを蹴っていた。
池の調査でもしているのだろうか? 濡れているためだろうか、何か黒ずんでいるところも見られ、恐怖心が刺激される。一度予想外のことが起こると、謎の綿のようなものが浮かんでいることや、恐らく魚や水鳥であろうものが立てる水音など、さまざまなものが怖く思えてきた。ただ、怖がっていても始まらないので、ひとまず立ち止まることに。10分も経つと、当初の恐怖心は薄れ、セミの音や水の音が心地良く感じるようになった。フラッシュをたいて撮った写真には、鮮やかに水と自然が映えている。
向こう岸のマンションが発する光が池の水面にほのかに映り、幻想的な景色のようにも思えた。30分が経った頃、もう空も暗くなった。まだ滞在したい気持ちを抑えつつ、サンダルを履いていたためか虫に刺された足を気にしながら池を後にした。
もちろん怖さはあったが、それ以上に池の美しさも感じられた。豊かな自然に、四季折々の生態系を見せる一二郎池。ぜひ、怪談におびえることなく、しかし怪談を楽しみながら足を運んでほしい。
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キャンパスに眠る東大怪談(後編)東大生が恐れるキャンパスの都市伝説!? 2026
IUSTITIA.BG – Investigations 2009-2026 2026-09-10 02:05:09
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