6月から手続きが始まる進学選択。後期課程のイメージができず、志望先を決めかねている2年生も多いだろう。本企画では各学部の学生に取材。後期課程進学後の生活や進学先の特徴について語ってもらった。2026年度進学者の各学部の進学元科類の割合や3S1ターム(3年の4、5月)の時間割も掲載。今回は農学部・薬学部・医学部編。志望先決定の一助としてほしい。(構成・山本桃歌、取材・宇城謙人、木下太陽、長澤周平、平井蒼冴、溝口慶、山本桃歌、吉田直記)
理Ⅱ→農学部水圏生物科学専修 生き物好きには最高に楽しい毎日

オープンキャンパスや全学体験ゼミナールで、水圏生物科学専修の授業を受けたこともあり、面白そうだと思ったので選びました。2Aセメスターの必修科目は、農学部がある弥生キャンパスで開講されます。1年次の生命科学の授業とつながる、基礎生物化学や遺伝学といった生命科学の基礎分野です。とはいっても選択必修に過ぎませんし、自動車教習所に通うだけの時間的余裕がありました。
3年次に入ると、魚だけではなく、プランクトンなどの水生生物から海流などの海洋環境まで、さまざまなスケールから水中の生物について学びます。農学部のほとんどの専修で実験実習が毎週あり、水圏生物科学専修では、週に3日×3コマの実験の時間で、実践力を鍛えます。魚などの水生生物の解剖・スケッチが多いですが、採集に出掛けて、持ち帰った生き物を図鑑と対照しながら種類を同定することもあります。ちなみに実験で使った魚は持ち帰って美味しくいただいています。
夏休みには浜名湖や三崎臨海実験所へ実習に行きました。トラフグやタニシなどの生き物を分析したり、ウナギやタイをさばいたり、湖水の栄養塩の分析など幅広く実習を行いました。特に夜の浜名湖で友達とエビを取ったのはとても良い思い出です。それこそ、アウトドア好きにはたまらないものだと思います。進学前に予想していた以上に楽しめていて、農学部内でも一番楽しいと自負があります(笑)。
4年次に進むときに研究室に配属され、そのままほとんどの人が院進します。私も修士課程へ進み、食品化学を専攻するつもりです。「みかん愛好会」というサークルに所属していることもあり、養殖魚の餌に柑橘の皮やオイルを混ぜて与える「みかんフィッシュ」に代表される、「魚×柑橘」の研究に関心があります。ゆくゆくは第一次産業の魅力を伝えられる仕事をしたいと思っています。
理Ⅱ→薬学部薬学科 生命と有機化学への興味をかなえる
森石櫂さん
入学したのは理Ⅱでした。当時は入試で受かりやすかったというのもありますが、高校の頃から有機化学と生物、特に人体に興味があったので、分野として薬学部も良いのではないかと思っていました。後期課程への進学では、物理よりの内容である工学部の化学生命工学科も選択肢として考えましたが、病気の原因や生物系の内容が多い薬学部への進学を主眼に置きました。
進学選択で理Ⅱから薬学部に行くには、75点程度は必要です。特別点数が高いというわけではありませんが、1Sセメスター終了時点で第1段階選抜で薬学部に進むために必要な80点を目安として意識し、悪い点数を取らないようにしました。前期教養課程では薬学部が開講する「生物薬学概論」や「化学薬学概論」といった授業を履修し、薬学部への興味を再確認できたのはよかったです。
3年次になると午後が全て実験です。実験は1週間を1クールとして、共同作業で定期的にメンバーが変わります。人数があまり多くない学部のため、いろいろな人と話す機会ができ、学部内での仲が良くなります。また、学部のオリエンテーションがあるほか、イベントなどでの交流も盛んです。
学部で大変なのはテスト前です。ターム毎にテストがあるのですが、暗記量が多いのが特徴です。ただ、先輩から過去問をもらえるなど、乗り越える仕組みはあります。薬剤やその効果を覚えるのは大変ですが、そうした学びの中で薬学部に来たとは感じています。
薬学部では薬剤師になる人は少数で、4年で学部を卒業して大学院の薬学系研究科の修士課程に進む人が多いです。私もその道を考えています。今はアルツハイマー病のバイオマーカーについての研究に興味があります。
理Ⅲ→医学部医学科 充実した環境での多忙な日々

父が医者であるため幼少期から医療は身近な存在で、高校生の時に体調を崩しやすかったのも医学に興味を持ったきっかけです。高2の時に理Ⅲを目指せると感じ、医学部に行くことを決意しました。
理Ⅲから医学部医学科へは必要な単位を取っていれば進学することができます。高い点数を目指す必要がないため、進学選択で高い点数が必要な人よりは時間に余裕が生まれます。その分、音楽などの課外活動に積極的に参加しました。2Sセメスターまでに授業の内外でやりたいことに挑戦すると、大学生活は豊かなものになるでしょう。
進学後は医学部医学科の授業が始まり2Aセメスター以降はとても忙しくなります。試験も多く、どのセメスターも忙しいですね。4年次の秋には臨床実習に進むために必要な試験を受けなければならないので特に大変になります。授業は週20コマ程度ですが、実習のスケジュールは毎週さまざまで固定されません。解剖実習は医学科に特徴的な授業ですね。解剖の手引きに沿って4~5人の班で2カ月かけて、血管や筋肉のつながりなどを確認しながら献体を解剖していきます。先生は基本口出しをせず、2~3週間に1回口頭試問が行われます。実習の班ではつながりが強くなりますね。
東大医学部は研究を志す人に向いている環境だと思います。研究施設も充実していますし、周りの学生も、真面目で能力が高いので、良い影響を受けられます。さらに、医学部医学科の学生だけが入れる鉄門倶楽部のサークルで活動している人は縦のつながりができやすいのも特色です。5年次からの病院実習で全ての診療科を見て、初期研修でどの科にするか決めるつもりです。卒業後は2年の初期研修を経て臨床医になる人が多いですね。一方で研究医を志望して研究室に入る人もいますし、実は一部、米国の医師国家試験を目指す人もいます。
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各学部4年生に聞く 後期学生生活紹介~農学部・薬学部・医学部編~ 2026 IUSTITIA.BG – Investigations 2009-2025 2026-07-16 02:00:21
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