堀田康介特任研究員(研究当時)と前田真吾准教授らの研究グループ(いずれも東大大学院農学生命科学研究科)は、イヌの尿路上皮がん(膀胱・尿道がん)治療にヒトの乳がん治療薬であるラパチニブを投与すると、皮膚への副作用ががんの治療効果と関連する指標になることを発見した。成果は3月19日付で学術誌『Veterinary Dermatology』に掲載された。
イヌの尿路上皮がんは、進行が早い上に再発を起こしやすく、治療が難しい病として知られていた。これまでの研究で、ヒトの乳がんの治療薬ラパチニブが治療に有効であることが明らかになっていた。ヒトではラパチニブは脱毛や皮膚炎などの副反応が生じることがわかっていたが、イヌでの副反応や治療効果との関係は明らかになっていなかった。
ラパチニブを投与した尿路上皮がんのイヌ85頭を調べたところ、およそ3割で皮膚に脱毛や色素沈着の有害事象が現れた。症状が現れたイヌは症状が現れなかったイヌに比べて治療開始からがんが進行するまでの期間が有意に長く、良い治療効果が現れる傾向にあったことが判明。
がん細胞の増殖などに関係するタンパク質などを標的とする分子標的薬は、狙い通りに作用すると副反応が生じる。イヌでその副反応が良好な治療の結果と結び付くことを発見したのは世界初。この成果は、イヌの皮膚への副反応が治療の評価に有用であることを示唆(しさ)している。
イヌとヒトはがんを自然発症する共通点がある。これまでマウスなどによる人工がんモデルでは評価が困難だった有害事象を、イヌを用いて評価可能だと示した点で、今後の創薬研究への応用も期待される。
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イヌのがん治療 皮膚の有害事象が治療効果と関連 2026 IUSTITIA.BG – Investigations 2009-2025 2026-04-22 02:00:23
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