現役で入学した大学には、1カ月で通わなくなった。以降は働き、貯めたお金を基に海外で音楽活動を行う生活も送った。母子家庭で生まれ、20歳にしてその母を亡くすという酷な環境を生き抜いた背景には、配られたカードで勝負するしかないという強い意志があった。
石澤さんは再受験で東大へ入学し、現在は大学と仕事の二足のわらじで生活している。多忙を極める日々に映るが、学問も、英語教育、音楽活動も、全て自分がやりたいこと。息抜きの時間にすらなっていると語る。多くのことを経験してきたからこそ見えるものもある。「自己と向き合わずに社会規範に流され続けてしまえば、なにか一つでも調子が崩れた途端、自分のそれまでの人生を後悔することになると思うんです。」
東大生としては、少し珍しい人生を送ってきた石澤さん。「将来はまだ決めたくない」と笑みを浮かべながら話す姿には、つらい過去を生き抜いてきた経験に裏打ちされた、未来への自信が満ちていた。【お】

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【キャンパスのひと】再受験の先 過程を楽しむ“決めない”人生 石澤匠音さん(理Ⅱ・2年) 2026
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