硬式野球部は8月14日、福岡市の桧原運動公園野球場で大阪大学と第65回全国七大学総合体育大会(七大戦)決勝戦を戦い、15─5で勝利した。東大は初回から3点を先制すると、相手の与四球や失策に乗じて4回まで9─0と大量リードを奪う。終盤に大阪大学(阪大)の反撃に合うも東大も順調に加点し、7回コールドで3年ぶりの七大戦優勝を決めた。(取材・撮影 吉野祥生)
東大|3204501|15
阪大|0000221|5(7回コールド)
今年の七大戦は九州大学が主管で福岡での開催。九州ならではの厳しい日差しと暑さの中、試合が行われた。東大は12日の1回戦で名古屋大学に10─2とコールド勝ちすると、13日の準決勝では地元・九州大学に4x─3で逆転サヨナラ勝ち。決勝へと駒を進めた。決勝戦は、真夏の3連戦となる中で投手の層の厚さなどチーム力が求められた。
1回表、東大の攻撃。1番に入った堀部康平(法・4年)がストレートの四球で出塁すると、続く2番・長谷川優(文Ⅰ・2年)も四球を選び、さっそく無死一、二塁の好機を作る。ここで3番・樋口航介(養・3年)には送りバントのサイン。樋口は投手前へうまく転がすも、投手から一塁への送球が悪送球となり、一気に二走・堀部が生還。1点を先制し、なお無死一、三塁とする。

さらに、続く4番・荒井慶斗(育・3年)の中飛を、相手中堅手が落球し2点目を挙げる。その後1死満塁として、7番・伊藤滉一郞(工・4年)が左犠飛を放ち、この回安打なしで幸先良く3点を先制する。
東大の先発はエース・松本慎之介(育・3年)。名大戦での先発から中1日の登板で疲労が残る中、1回裏の阪大の攻撃をいきなり三者凡退に抑え、エースの実力を見せつけた。

2回表。1死から1番・堀部が四球で出塁すると、2番・長谷川が左前安打で1死一、三塁とする。盗塁で1死二、三塁を作り、打席には3番・樋口。阪大が落ち着かないうちに追加点を獲りたいところだが、樋口は見事に左前へ2点適時打を放ち、5─0とリードを広げる。

そして、東大はさらに勢いを見せる。4回表、2死一、二塁として、6番・小村旺輔(経・4年)の右前適時打でまず1点を加点。さらに、2死満塁から8番・門田涼平(文・4年)の放った三ゴロを相手三塁手が悪送球し、ボールはライト線付近を転々とする。その間に一塁走者までが一気に生還。この回4点を追加して9─0とワンサイドゲームの様相に。
この展開を見てか、エース・松本は3回まで相手打者9人を完璧に抑えたところで降板。4回からは高橋直人(法・3年)がマウンドに上がる。しかし、高橋は入りの制球が定まらず、連続四球で無死一、二塁とする。さらに、阪大3番に対しても3ボールとボールが先行。大量リードにもかかわらず雲行きが怪しくなる。
するとここで、一塁手・堀部が間を取りマウンドへ声掛け。これを受けてか、高橋は4球目で1つストライクを取ると、5球目で相手打者を左飛に抑えアウトを奪う。ここから高橋は立ち直り、阪大4番、5番を連続三振に切って取り、この回を無失点に抑えた。苦しい状況でも、主将・堀部の声掛けが流れを変えた場面だった。

5回表、東大は1番・堀部、2番・長谷川が連続安打で無死一、三塁とすると、代わって入った3番・小田周(工・3年)が中越えの2点適時二塁打を放ち2点を奪う。さらに4番・荒井の適時打や8番・門田の犠飛などで3点を追加し、14─0と一方的な展開となる。
5回裏、阪大の反撃が始まる。回またぎの高橋が先頭に安打を許すと、続く阪大7番に適時三塁打を打たれて1点を失う。ここで大久保監督が出てきて、前田理玖(文・4年)に投手交代。続く阪大8番の遊ゴロの間に高橋が残した三塁走者が還り1点は失うも、前田は後続を断って流れを渡さない。

しかし、14─2で迎えた6回裏。前田が2死一、三塁とピンチを迎えると、阪大8番に2点適時二塁打を打たれ失点。さらに、阪大打線を止められず四球と安打で2死満塁としたところで、佐伯豪栄(工・4年)に投手交代する。代わった佐伯は阪大1番を遊ゴロに打ち取りこの回最少失点で切り抜けたが、前田は不安の残るマウンドになってしまった。
7回表、東大は新戦力が期待に応える。無死一塁から、指名打者で途中出場の李玟勳(理Ⅱ・1年)が右安打を放つと、阪大右翼手が打球処理を誤った間に1点を追加し15-4に。春は指名打者が活躍できなかった東大。秋は新戦力が勝ち点3への最後のピースになってくれるかもしれない。

7回裏も佐伯が登板。阪大4番に適時打を打たれて1点を失うが、点差を守りきって15─5でコールドが成立。阪大の反撃をかわしたコールド勝ちで、東京開催の2023年以来3年ぶりの七大戦優勝を決めた。

蓋を開けてみれば東大が終始圧倒する展開となった決勝戦。阪大は与四球や失策が目立ったが、東大はそこにうまく乗じて順調に得点した。タイミングを見て二盗も9つ重ね、機動力の高まりも感じさせた。秋季リーグ戦の開幕はもう目前。七大戦優勝で弾みをつけていきたい。
主将・堀部康平選手 インタビュー
──優勝おめでとうございます。七大戦優勝という結果について、どのように捉えていますか
七大戦を秋季リーグ戦への通過点として位置付けていて、なんとしても優勝という結果にこだわろうとやっていました。ですから、優勝したことはすごく嬉しいです。
──七大戦前に北海道で行われた遠軽合宿ではどのようなことを意識して取り組まれましたか
合宿では涼しい環境で活動できるので、多くの球数をこなす長時間の練習が一番の目的になります。広い球場を使えたので、神宮球場を想定した守備の連携や、走塁での打球判断の練習もできました。遠軽合宿からリーグ戦を勝ち抜くためのチーム力をつけようと取り組んでいたので、遠征の続くハードな日程ではありましたが、七大戦で結果を残せて嬉しいです。
──堀部選手はどうプレーからチームを引っ張ろうと意識していますか
自分の持ち味は足を生かして得点するところです。七大戦では打率や出塁率も良く、毎試合複数出塁できました。自分の持ち味を出すためには、まず出塁が必要です。この調子でもっと活躍して、出塁して得点する形でチームに貢献できたらと思います。
──試合中の堀部選手の声掛け、声出しも印象的でした。意識していることはありますか
チームとして丸くまとまらず、ある意味羽目を外して勢いをつけようと、チームみんなで言い合っています。自分は主将として、チームがうまくいっている時も、そうでない時も、常に一定のテンションやリズムを保って率先して声を掛けていこうと意識しています。
──秋はチーム目標を勝ち点3に据えました。目標達成に求められることは何でしょうか
同じ相手に2勝し、さらに勝ち点を複数回重ねる必要があります。誰が出ても一定の結果を残せる選手層、そして日替わりでヒーローが出ることが大事になると思います。同時に、1勝1敗で迎える3回戦も増えてくると思うので、粘り強さや体力もテーマになると思います。主将の役割としてはチームを引っ張り、勢いをつけたいです。そこは今と変わらず、レベルを上げていくことでチームを勝たせたいです。自分がやるべきことをやり、チームもやるべきことをやれば、春以上の結果が付いてくると信じてやっています。
大久保裕監督 インタビュー
──主将の堀部選手はスタメン起用となりました
堀部は1番打者で、主将としてプレーで活躍しています。安打や四球で出塁すると、すぐに盗塁してチャンスを作ります。一塁手としての守備も全く問題ないので、プレーでチームを引っ張っています。
──春に正捕手だった明石健選手(農・4年)は七大戦を通して出場がありませんでした
明石は七大戦期間はコンディション調整が間に合わず出場はありませんでしたが、どんな状況にあってもチームに欠かせない存在です。
──明石選手の代わりに捕手には大山寛人選手(工・3年)が起用されています
大山はまだ物足りない部分も目立つのですが、少しずつやれるところが増え、本人も自信が付いてきていると思います。彼にとって七大戦出場は良い機会だと思います。
──今回の七大戦では、春に出場機会が多かった大沼亜斗夢選手(文Ⅱ・2年)や福井克徳選手(理Ⅰ・2年)はメンバー外となりました
彼らは今年の春先は調子が良く、春季リーグ戦では出場機会が多くありました。しかしリーグ戦を振り返ると、こちらが期待するほどの結果を出せてはいません。まだ試合経験が少ないので、試合が多いBチームで試合経験を積んで、力を付けてからAチームに戻ってきてほしいと考えています。
──七大戦では春に登板機会のなかった前田投手が登板し復調を見せました
前田はコントロールがいいので、こういう試合ならいけるかなと思いました。2イニング目は捕まりましたが、最初はリズム良く抑えていたので、リーグ戦では短いイニングでは登板チャンスがあるかなと思います。
──秋季リーグ戦は目前です。意気込みを聞かせてください
遠軽合宿では順調に活動でき、七大戦も目標に到達したので、これで弾みをつけて高い目標にチャレンジしていきたいです。ポイントは8月後半のオープン戦です。そこである程度調整をしながら、なんとか勝ち点3に挑んでいきたいですね。

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【硬式野球部】七大戦決勝 阪大にコールド勝ちで3年ぶりの優勝 2026
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